紫わさび研究室

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【1限目】便利な北海道弁【(動詞)+ 〜さる】

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自分で丸太を切ってヤスリをかけてニスを塗った思い入れのあるステージです。

キンコーンカーンコーン

キリぃーーーつ レイッ (ぺこり) ちゃくせーき

では、さっそく北海道弁の授業はじめていきます。

記念すべき1限目は

 

【(動詞)+ 〜さる】

 

この授業シリーズを始めようと思ったきっかけになった、世の中にあまねく広めたい言葉です。

意味は2つありますので、ご注意を。

 

① 〜できる

「こっちのペン書かさるよ」(こっちのペン書けるよ)

「このボタン押ささんないんだけど」(このボタン押せないんだけど)

とてもシンプルな可能用法です。

個人差はありますが、標準語よりも「ペン」や「ボタン」から距離をとっている語感があります。「書ける」こと「押せる」ことへの強い執着心を捨てて、自分のことは棚に上げて、無責任な気持ちになって、気軽に使用してみましょう。

 

②(意図せず)〜の状態になってしまった

意図しない行為によってもたらされた結果であることを表現する時に使用します。

『自分はそんなつもりじゃなかった』『だからこの結果は仕方がない』と、責任転嫁したいときは、非常に便利な表現ですので、ぜひ覚えておきましょう。

 

実際にしっかり責任転嫁するためには使用イメージを持つことが大切です。

例えば。

友達が書き直し3回目の履歴書を真顔で書いています。その隣であなたは鼻歌まじりにサンタさんのお絵描きをしています。そこに、開いてた窓から爽やかな風が吹き込んできて、サンタさんがヒラっとめくれました。咄嗟に、あなたは、赤色鉛筆を握った右手で紙をおさえにいきます。するとどうでしょう、【志望動機・自己PR】にまぁまぁの太さと勢いの赤色の斜線が引かれているではありませんか。友達はあなたをまっすぐに見ています。さすがのサンタさんも気まずそうにしてます。

 

「書かさっちゃった、ごめん♡」

 

はい、では、次の例です。

よく晴れた夏の午後、庭で重量挙げを楽しんだあなたと友達は、喉が乾いたので、近所の自動販売機に向かいました。友達は、自動販売機の前に立って、やっぱスポドリかなぁ、いやでも炭酸もいいな、なんて汗をぬぐいながら、楽しいお悩みのひとときを過ごしています。そこに、自動販売機を背にして立っているあなたの目の前を大きなコンドルが横切りました。思わず、後ろによろけたあなたは、背中が自動販売機に当たってしまいました。するとどうでしょう、ガコン、ほっかほかに温まったコーンポタージュが勢いよく滑り出てきたではないですか。友達は、静かに自動販売機を持ち上げてあなたを見ています。

 

「え、ちがっ、押ささっちゃったんだってっ!!」

 

皆さん、しっかり使用イメージ掴めましたか?

学校で、職場で、家庭で、責任転嫁したいときは、ぜひ使ってみて下さい。

1限目は、ここまでです。次は、2限目でお会いしましょう。

 

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